就活ニュース:デジタル版

どこよりも信頼できる就活ニュースサイト

なぜ繁盛する居酒屋の店長には片腕がないのか

「この店の片腕になる覚悟はあるのか」

居酒屋チェーン店長のAさんはアルバイトの面接で必ずこう聞くのだという。

「片腕になる覚悟がなければ、居酒屋のクルーは務まらない。時給869円だろうが関係ない」

地域売上トップ店を切り盛りするAさんには迫力がある。

「店が繁盛しだすと必ず肉が足りなくなるんですよ。肉は高いですからね。少ししか仕入れできない。でも客からのオーダーは多い」

ではどうするか。なんと従業員の片腕を切り落とし、料理の材料にするというのだ。

「その時に入っているシフトでいちばんドンくさい奴の片腕を切り落としますね。たいていは入りたてのバイトとか」

腕を切り落とされたアルバイトは、心を入れ替えたように仕事に没頭するようになる。

「片腕がなくなった人間は他では通用しないですからね。もうここで頑張るしかない」

Aさんも片腕がない。中途半端な気持ちで入った居酒屋アルバイト。半年もしない内に腕を切り落とされた。

「はじめはショックでしたよ。でも、自分の腕の串焼きを美味しそうに食べるお客様の笑顔を見て、気持ちが変わった。お客様の感謝のためなら頑張れる」

Aさんはその後、仕事に打ち込み、みごと契約社員に。雇われ店長にまで登り詰めた。

「どれだけ仕事に腕をかけるか。腕を失うのを恐れていては何もできない」

今夜のシフトでは両腕がある者はごくわずか。みな命がけで働いている。美しい国の原点がここにある気がした。

(働木鯛造)